1on1のやり方で困ったら?質問内容の工夫で解決!部下と話すコミュニケーション〜1on1実践編〜

部下の自主性を高め成長を促す手法として、企業の導入が増えている1on1ミーティング。一方で、やり方がわからないという声も聞かれます。
話題が見つからない、部下が1on1に乗り気ではないといった上司のお悩みに対し、部下も1対1の会話にプレッシャーを感じているケースが見受けられます。質問内容や話し方の工夫で会話が弾むと、部下とのコミュニケーションが活性化し、信頼関係の構築にもつながります。
今回は、部下と話すコミュニケーションの実践編を、具体的な質問例を交えてご紹介します。進め方のコツをつかみ、充実した1on1の開催にお役立てください。
1on1のやり方
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1on1は大まかに分けて、この5つの手順で行います。
①1on1の目的を伝える
②日時や開催場所の設定
③テーマの決定
④実施
⑤次回の日程と場所を決定
1on1の目的が部下に正しく伝わらないと、面倒だ、やっても意味がないと消極的な印象を持たれ、なかなか部下の本音や意見を引き出せません。部下への理解と成長のサポートが目的であると部下に腹落ちさせる事が重要です。
テーマは部下が話したい内容に沿って、事前に決定しておきます。自律型人材への成長にあたり、現状の悩みや課題を準備しておくと、悩みの本質に近づけます。
1on1の主役はあくまでも部下であると認識し、上司は聞き役に徹しましょう。評価に対する不安から本音を切り出せない場合は、上司の自己開示で心理的安全性を高め、部下が包み隠さず話せる雰囲気づくりを心がけましょう。
詳しくは前作の導入編である、【効果的な1on1のやり方「部下と話すコミュニケーションのコツ」〜1on1導入編〜】をご覧ください。
1on1のやり方で困ったら?1on1ミーティングに最適な頻度や時間とは?
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1on1のやり方は企業によっても様々です。毎週、隔週、毎月1回などの頻度で、10分と短いところもあれば30分から1時間の企業もあります。
一般的には、2週間に1回のペースが理想的で、あまり間隔を空けると記憶が薄れ前回の詳細を振り返りにくくなると言われています。話しやすい関係性を保つために最低でも月1回の開催を心がけると良いでしょう。
楽天グループでは毎週か隔週に1回、直属の部下全員とフィードバックとしての1on1を実施し、心理的安全性の向上に寄与しているそうです。
出典:「1on1ミーティング」が生み出す、楽天流・コンピテンシー開発
継続が重要な1on1は無理なく定期的に開催できるスケジュールを組み、企業文化に定着させることをお勧めします。
1on1のやり方で困ったら?1on1のやり方で身に着けておきたいスキル
続いて、スムーズな1on1開催に必要とされる2つのスキルについてご紹介します。
コミュニケーションスキル
信頼関係の構築にコミュニケーションスキルは必須です。上司は傾聴を意識し、部下の話を途中で遮らず最後まで真摯に聴くように心がけましょう。
警戒心が解け深層心理で信頼関係が築かれた状態では、心理的安全性が高まり考えや思いを素直に話せるようになります。否定や批判をせず自分に理解を示してくれる上司は部下の味方だと認識され、リラックスして上司のサポートを受け入れやすくなるのです。
コーチングスキル
具体的な問題解決に欠かせないのがコーチングスキルです。上司は部下との対話で本心を読み取り、部下の悩みを共有する。既に部下の心に存在する答えを上司が質問で気づかせ、自分で問題解決できるように導き出すサポートを行います。
答えに対する壁を取り除くにはどうしたら良いか、相手の話すスピードに合わせてサポートしながら、焦らず冷静に引き出していきましょう。
1on1のやり方で困ったら?質問内容に工夫を取り入れる!部下と話すコミュニケーション事例
1on1で部下とスムーズにコミュニケーションを取るには、質問の内容にも工夫が大切です。部下が話しやすい質問を選んで距離を近づけていきましょう。
1on1で部下と話す3つの距離の近づけ方
①アイスブレイク
1on1開始直後はいきなり本題に入るのではなく、軽いアイスブレイクの時間を取ると良いでしょう。部下への理解を深めるため趣味やスポーツといった話題をきっかけにし、互いの緊張を解きながら関係構築を図るのがポイントです。
例)最近ハマっている趣味はありますか
好きなドラマや映画、小説は おススメを教えください
②心身の健康状態チェック
健康状態に問題がないか毎回チェックを行います。気づかぬうちに不調の原因が表れる場合もあるため、睡眠の質やストレスの質問で兆候を見逃さないように注意を払いましょう。
例)睡眠時間はどのくらいですか
食事はどのような点に気を付けていますか
仕事のストレストップ3は何ですか
③やる気、やりがい
仕事に対するモチベーションを図るために、部下の悩みや不安を聞き、マイナス要素を排除していきます。
例)もっとこうしたい、ここが変われば仕事がやりやすくなるといったポイントはありますか
気になっていることをもっと詳しく聞かせてもらえますか
これらの質問で距離を近づけて安心感や信頼度を高め、部下がざっくばらんに話せる環境を整えていきましょう。
1on1でもっと深く部下と話すには
心理的安全性を感じてもらえたら、次は部下の悩みや課題の本質を精査し、隠れた才能や意欲を引き出す質問に移りましょう。
①業務や組織の課題
部下が現在抱える悩みを把握し、理解を深めて柔軟な意見を聞き取りましょう。
例)業務や組織の課題について、今のままだとどんなリスクが生まれますか
チームの改善にはどんなアイデアがありますか、それはどんなサポートが必要ですか
②業務目標
設定した目標に対し、理想の姿や現状を共有します。業務目標の進捗状況が思わしくない場合は、解像度の高い質問をし、本人が気づきを得て軌道修正できるように気を配りましょう。
例)生産性を上げるためにやめた方がいいと思うもの、始めた方がいいと思うものは何ですか
目標に対して障壁になっているものは何だと思いますか、乗り越えたらうまくいきますか
③能力開発やキャリア支援
部下の強みや今後の人生設計など、人物像のギャップが埋まる質問を行います。ギャップを補うと適性や能力に見合った仕事に配置でき、適材適所につながります。
例)自分の得意な業務、スキルは何ですか
今後どのようなキャリアを歩んでいきたいですか
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1on1のやり方企業事例~1on1ミーティングに成功している会社に学ぶ!~
1on1ミーティング導入で変化が表れた企業の事例をご紹介します。参考となる成功ポイントにご注目ください。
株式会社RIT
「チャレンジが称賛される世の中をつくる」をビジョンに掲げ、新規事業の立ち上げやアジャイル開発、DXコンサルティングなど、強い意志をもってチャレンジするクライアント企業のはじめの一歩からグロースまでをワンストップで支援する株式会社RIT。
同社CHRO兼CTOの福田哲也さんは、「hanaseruのサービスを導入するまでは、第三者にキャリア相談をする意義やメリットについて半信半疑だった」と話します。
事前課題としては、
・上司と部下の対話では、上司が悩みを聞いても部下からは何も返答がないことがあり、解決に至らない
・上司と部下の対話では、話す内容が部下のキャリアではなく、どうしても業務内容に偏ってしまう
などがありました。
<hanaseru>導入により、
・第三者と対話をすることで社員(従業員)の発言も増え、悩みや個別の考えを把握できる情報量が増えた
・コーチの「あなた個人の考えを教えてほしい」という切り口により、メンバーは自己開示しやすくなり、さらなる自己理解・会社理解に繋げられる
などの効果を感じられています。
業務に直接関わりのない第三者だからこそ聞けること、また相手が第三者だからこそ話せることがあるのだと感じるそうです。メンバー側も、理解してもらえるように頑張って伝えよう、言語化しようとする側面があるのかもしれません。
<hanaseru>導入事例の詳細はこちら
1on1やり方の秘訣として外部プロ人材を活用するという選択肢
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1on1ミーティングに効果的な外部サービス
一部の企業では、経営層に対しコーチングサービスを提供する企業の1on1トレーニング研修を導入しています。その結果、上層部が1on1ミーティングの価値を実感し、スムーズな1on1ミーティングの全社導入を生み出したケースもあります。第三者との対話でぼんやりとしていた思考が言語化されて自己理解が進み、自己効力感が高まる結果を生んでいます。
1on1ミーティングに<hanaseru>の活用を
自分なりの思考や現状について対話で深掘りをし、成長を促していく1on1ミーティング。<hanaseru>の外部プロコーチは、インプットとアウトプットを繰り返す継続的な仕組みでマネジメントに必須な自己効力感を育て、意識の変容で効果の定着が期待できます。
最後に:1on1のやり方で困ったら?質問内容の工夫で解決!部下と話すコミュニケーション〜1on1実践編〜のまとめ
1on1ミーティングは部下への理解を深め、相手を尊重して信頼関係を構築するコミュニケーションの場です。質問の工夫で部下の本心を導き出し、率直な意見交換を可能にする価値ある1on1は、人間関係を活性化し、自律型人材育成と企業の成長を促進します。
〈hanaseru〉はデジタルアンケートと外部プロ人材のキャリアコーチングを組み合わせ、個人のエンパワーメントに効果を発揮し成果へと導きます。お気軽にご相談ください。
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