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課長の延長上では務まらない!上級管理職(部長クラス)に必要なマネジメント能力とは?

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課長の延長上では務まらない!上級管理職(部長クラス)に必要なマネジメント能力とは?

上級管理職(部長クラス)は、経営者視点で部門に責任を持ち組織経営の中核を担う存在です。現場の最前線で管理、サポートを行ってきた課長時代から、全社を見通し、部門の最終決定を行う役割に変化が必要です。
本記事では、上級管理職(部長クラス)に必要なマネジメント能力について、詳しく解説します。

上級管理職(部長クラス)とは

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上級管理職は、一般的に組織経営の中核を担う部長クラス以上の役職者を指します。
経営に対して主体的に牽引するスキルや意識を持ち、部門の経営者として会社の考えを事業に落とし込む存在です。


部門の業務と人材を管理し、現場の社員(従業員)が動きやすくなるように経営陣との橋渡しを行いながら環境を整備し、組織を成功に導く役割が求められます。

 

上級管理職(部長クラス)に求められる役割 

上級管理職(部長クラス)とは各分野の責任者になるところから始まり、事業について視座を高め、幅広い視野から俯瞰する力が求められます。
次期経営幹部候補であるという意識を持ち、経営者の視点を養い自社の将来像について考える必要があります。


そこで上級管理職(部長クラス)に求められる役割を、大きく4点に分けてご紹介します。

 

①リスク管理

上級管理職(部長クラス)は、経営者の視点を持つことが求められます。特に部長に求められるリスク管理は、部門、部署、ひいては会社全体が社会的責任に配慮した活動をしているか監督する点です。


《社会的責任の7つの原則》
・説明責任(アカウンタビリティ)
・透明性 
・倫理的行動
・利害関係者(ステークホルダー)の利益の尊重
・法の支配の尊重 
・国際行動規範の尊重 
・人権の尊重
出典:ISO26000 - リスクマネジメント|デロイト トーマツ グループ


2010年に発行された国際標準化機構、社会的責任に関する国際規格「ISO26000」では、組織が社会的責任に配慮した活動を行う上での指針を示しています。
また上級管理職(部長クラス)はリスクに対する知識を学び、組織的なリスク回避や予防策の講じ方を学び、対応する必要があります。

 

②業務拡大・業務改善

現代は先行きが不透明で、将来の予測が困難なVUCAの時代と呼ばれています。
VUCAとは、下記の頭文字を取って名付けられました。
・V(Volatility:変動性)
・U(Uncertainty:不確実性)
・C(Complexity:複雑性)
・A(Ambiguity:曖昧性)


環境が急激に変化し安定した成長が見込めない時代になった今、これまでと同じ動きでは、組織の成長を維持し、生き残るのは難しいとされています。
現時点における人的資源をいかに活用し、業務拡大や改善の成果を表せるかが重要なカギを握ります。

上級管理職(部長クラス)は経営者視点を持ち、部門や部署の責任者として業務拡大や業務改善に取り組む姿勢が必要です。

 

③新しい事・変革 

上級管理職(部長クラス)は変化する社会や経済の動きを見据え、時代に対応した事業展開を行う必要があります。いつまでも現場の感覚から抜け切れずにいると中長期的な見通しが立てられず、スケールの小さな大課長から脱却できません。
業務のあり方を見直し、場合によっては業務の構想を一度壊した上で最初から業務構想をつくり直す思い切りの良さが必要です。


上級管理職(部長クラス)が経営者に求められる役割はビジネスの変革者であり、新しいことへ挑戦し、新たな価値とビジネスモデルを見出す力です。若手社員(従業員)の意見にも耳を傾け、積極的に議論に乗せ、既存の枠を超えた発想やイノベーションを取り入れる姿勢が求められます。

 

④組織デザイン

上級管理職(部長クラス)は部門の責任を持つ部門の経営者と置き換えて考えられます。
このクラスになると、組織が十分機能する環境を築くために人材の再配置、外部人的資源の調達、組織体制や仕組みの変更にかかわることも可能です。中長期的展望に沿った動きができる組織を形成するには全社員(従業員)が能力を活かし、業務に取り組み、連携し合えるような仕組みを作る必要があります。


組織が合理的かつ生産性を向上して仕事を行い、組織としての成長を止めないために、自社に相応しい組織デザインを行うことが重要です。
社員(従業員)がパフォーマンスを最大限に発揮し活性化するには、ダイバーシティ&インクルージョンに則り、能力や知識など各々の得意分野を生かし、多様な人材の適性を見極めます。その上で組織デザインを行うと、視野の広い経営を可能にするだけでなく、成長の維持や企業価値向上への貢献が期待できます。


ここで戦略的な介入を行い、部長の直接的な指示を受けるだけではなく、社員(従業員)が自発的に動き、行動変容を起こす働きかけができるかどうかが重要です。組織がストレッチするために、従来とは異なる将来のシナリオに沿った動きを取れるようになるかが、組織デザインの重要なポイントです。


コラム『組織力を高める「ダイバーシティ&インクルージョン」とは?メリットや事例をポイント解説』では、ダイバーシティ&インクルージョンについて解説していますので、併せてご覧ください。

詳細は、こちらら。

上級管理職(部長クラス)に望まれる5つの姿勢・態度

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上級管理職(部長クラス)に望まれる姿勢や態度は、5つあります。次にこれらの要素について解説していきます。

 

①ビジョン設計

上級管理職(部長クラス)は全社方針及び部門方針を部内に浸透させ、業績向上の役割を担っています。そのため明確なビジョンや目標を持ち、企業全体の業務達成に向けたプロセスを設計する姿勢が望まれます。PDCAサイクルの円滑な運用に向けた資源配分も細心の注意を払い、働きやすい環境整備も重要です。部門全体を俯瞰する姿勢も必要とされます。

 

②全体最適

全体最適とは会社経営において、部分的な生産性や効率性の向上ではなく、組織やシステム全体を見通し、組織にとって最大限のパフォーマンスが発揮可能な状態を重要視する思考のことです。部門や社内だけでなく、市場動向や業界に与えるインパクトといった広い視野で意思決定を行う必要があります。
上級管理職(部長クラス)は、自社の経営に対し、全体最適の思考を持って意識改革を促すことが求められます。会社や組織全体の利益を第一に考え、経営層の考える方向性を部下に伝える橋渡し役や、円滑なコミュニケーションも求められているスキルです。


企業にとって重要性や緊急度の高い事案を優先して進めるために、日頃から部門を超えた関係性の社内コミュニケーション活性化を課題とし、全社共通の方向性についての協議開催が必要不可欠です。
また上級管理職(部長クラス)が担当する部署に限らず全体最適の思考で行動することにより、部下はおのずと会社の方向性を理解し、自らの役割を見つけて行動変容を起こす社員(従業員)が生まれます。

 

③長期指向 

中長期的な視点で将来を見通し、目の前のリスクを恐れず、時間がかかっても本質的な成果を上げるために取り組む姿勢が望まれます。
広い視野で利益を捉えると、1年では成果が出ないものでも、中長期的視点で数年先を見越したビジネスモデルが市場に浸透した場合、アドバンテージで機先を制す可能性があります。

 

④重点集中

部門に関連した課題は、実は会社全体の課題と通じる部分もあり、お互いに影響し合っている可能性も多いと見受けられます。上級管理職(部長クラス)には複数の課題解決につながるポイントにフォーカスし、打破するくらいの潔さと決断力が望まれます。

 

⑤対案選択

部門における課題の多くは複雑化しており、完璧な課題解決は不可能に近いと考えられます。上級管理職(部長クラス)にとって多角的視点から解決の可能性を導き出し、最善策を選択する習慣づけは非常に重要です。
今までの経験や思い込みに引きずられない客観的な視点が必要と言えます。
出典:部長は「管理者」ではなく「経営者」の視座を持つ

上級管理職(部長クラス)と課長職との違い

管理職と呼ばれる役職は、企業の一定の範囲において業務権限を持つ人のことです。企業によって呼称や役割が多少異なるものの、一般的には部門の長であれば部長、課であれば課長と呼ばれるケースが多く見られます。どちらも管理職ですが、上級管理職(部長クラス)と課長職との大きな違いは視点にあります。


・課長
課長は現場の責任者として、部下の指導や育成、現場改善など課全体の管理を行い、課全体の成果に向けた適切な目標を掲げ、戦略実行の役割を担います。プレイングマネジャーであることが多いのも特徴です。

 

・部長
一方、部長は部門の責任者として組織の経営方針を戦略に落とし込み、最終的な意思決定を担う役職で、中長期的な視点や経営側の立場が求められます。部門や部署の利益ではなく、全社の利益として考える視点を持つのが部長クラスです。


主に組織を成功に導く重要な役割で、戦略立案、働きやすい環境整備に専念しています。
責任の範囲は課長職よりも広く、部門に関する計画と人的資源、物的資源、財務資源、情報などです。
そのためマネジメントする組織規模が広がり、社員(従業員)各々に個別指導するなどのコミュニケーションは図りにくくなります。
部長の管轄は課長と比べ規模が拡大するため、責任の度合いも自ずと高くなります。

上級管理職(部長クラス)に必要なマネジメント能力

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上級管理職(部長クラス)に求められる能力を「人材マネジメント」「業務マネジメント」「リスクマネジメント」の3つのカテゴリに分類し、ご紹介します。

 

・人材マネジメント能力
部長が行う人材マネジメントとは、部下の育成と評価です。上級管理職(部長クラス)に相応しい候補者を掘り起こし、長期的な視点から段階的に育成を行います。部長は人材育成に関しても、3年、5年、10年後の先々を見据えた実践の必要があります。
手取り足取り個別に指導し育成していた課長時代とは異なり、資質を持つ人材を次期管理職候補として発掘し、個人の動機づけを行います。
そのためには必要に応じて部門や本部を超え、さらには会社を越えた異動や配置の提案をすることもあります。


・業務マネジメント能力
業務マネジメントでは部門の経営者として役員の考えを事業に落とし込み、現場が同じ方向を向いて動けるように環境を整えていくことが求められます。それには企業のビジョンや目標を明確にし、達成に向けた業務プロセスの構築が必須です。経験の浅さはスキルに不安が生じてしまい、設計自体が困難なため、上級管理職(部長クラス)の指揮の下で実行する必要があります。


PDCAサイクルを回す仕組みも重要なポイントです。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)という一連のプロセスに対し、適切な資源の配分がなされているか、注意が必要です。さらに上級管理職(部長クラス)に属人化したシステムで組織の継続性の危機があってはならないため、人が変わってもPDCAを回せる仕組み作りが重要です。近年、環境の変化スピードが格段に上がっているため、より迅速な意思決定が望まれるケースも増え、柔軟な対応も必要とされます。


・リスクマネジメント能力
企業の存続にとってリスクマネジメントは最も重要です。部門の経営者である部長は、部門や部署に存在しうるリスクを表出させつつ、より良い方向へ部門経営を実現させていく必要があるのです。
リスクマネジメントとは、リスクを管理する活動となります。企業は企業活動に関連するリスクを把握、コントロールし、リスクの回避や分散、リスクによる損害や損失の予防や最小化を目指します。
出典:グロービス経営大学院MBA用語集


トラブル発生時の的確な対応も大切ですが、不祥事やコンプライアンス違反といったトラブルのリスクを事前に察知できるよう、自らが率先してコンプライアンス意識を高める必要があります。部門や部署で発生する恐れのあるリスクを洗い出し、マネジメントしなければなりません。

上級管理職(部長クラス)のマネジメント能力育成に外部リソースの活用を

組織開発のプロセスにおいて、必要とされる部長職以上の上位管理職に対する一般的な階層別集合型研修では、経営的視点や部門経営者としての能力開発並びにスキル習得が求められます。主に、経営者視点や経営に必要とされる視座、経営戦略の企画立案、各種マネジメント能力、リスク管理、新規事業の創出などを学びます。


しかし次期経営幹部候補である上級管理職(部長クラス)の役割は幅広く、組織変革や新たな視点でイノベーション開発を行うなど、短期間の研修プログラム受講で、すべての内容を網羅するのは不可能です。組織の存続、成長、そして全社共通の利益向上のためには厳然たる決断を求められるケースが増え、憎まれ役になっても結果を出すのが上級管理職(部長クラス)の役目でもあります。これら全てを一過性の研修プログラム受講で知識を定着、浸透させるには不十分で、組織に変化を起こすのは至難の業だと言えます。


一方、定期的なコーチングの導入は、上級管理職(部長クラス)各々に腹落ちさせるために非常に効果的な手法です。
コーチングは相手からの質問に対して内省し、自らの心にある答えを見つけて言語化するプロセスがあります。自己判断の機会が増える上級管理職(部長クラス)にとって、自分と向き合い自らの言葉で内発的な動きを促進し、さらに自己理解を進める時間は有用です。


人材育成において、〈hanaseru〉のコーチングは自己肯定感を高め、キャリアコーチが継続的に手厚くフィードバックを行い、ユーザー自身の行動変容を促します。

最後に: 課長の延長上では務まらない!上級管理職(部長クラス)に必要なマネジメント能力とは?のまとめ

上級管理職(部長クラス)は人的資源を最大限に活用、育成し、一歩引いたところから、いわば遠隔操作のような形で結果を出す存在です。部門の経営者と考えられ、ビジョン設計、全体最適、長期指向、重点集中、対案選択という5つの姿勢が望まれる立場です。また人材、業務、リスクの3つの柱に対してマネジメント能力が必要とされます。


1on1コーチングの〈hanaseru〉では、デジタルアンケートによる可視化と外部プロ人材のキャリアコーチングの組合せで成果を導きます。コーチング理論に基づいた対話で上級管理職(部長クラス)の役割、立ち位置に対する自己理解が進み、キャリアコーチが継続的に手厚くフィードバックを行いユーザー自身の行動変容を促します。無料でのご相談も随時受付けております。詳細については、お気軽にお問い合わせください。


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