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近年注目のリーダーシップ理論「レベル5リーダーシップ」とは?

レベル5リーダーシップ男性ミドルマネジャー
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近年注目のリーダーシップ理論「レベル5リーダーシップ」とは?

1994年の初版出版から5年連続でベストセラーになり、2022年12月時点で全5巻出版されているジム・コリンズ氏とジェリー・ポラス氏との共同著書「ビジョナリー・カンパニー」シリーズ。多くの統計やエビデンスが用いられた本書は信頼性が高く、アメリカだけでなく世界中のビジネスパーソンに支持されています。

業界でも卓越した企業は一体どのように変革・成長し、時代を超えて長期にわたり繁栄し続けられるのか。その法則を見つけるため、ジム・コリンズ氏は企業の分析や比較を行いました。そこで発見したのが「レベル5リーダーシップ」です。
本記事では、レベル5リーダーシップの特徴やミドルマネジメント層で生かす方法を徹底解説します。

レベル5リーダーシップとは?

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レベル5リーダーシップとは、アメリカのビジネスコンサルタントであるジム・コリンズ氏が、著書「ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則」の中で提唱したリーダーシップです。
研究の結果、業界内でも卓越した企業(ビジョナリー・カンパニー)の経営者には共通点があることを発見したジム・コリンズ氏は、「レベル5リーダーシップを持った経営者こそ、飛躍的に業績を伸ばせる」と結論付けています。
レベル5リーダーシップとは何かについて解説する前に、ビジョナリー・カンパニーの定義について説明します。
ビジョナリー(visionary)とは洞察力や先見の明がある人を意味しています。よってビジョナリー・カンパニーとは、長期間にわたり業界随一の地位を維持している未来志向の企業を指します。


ジム・コリンズ氏とジェリー ・ポラス氏との共同著書「ビジョナリー・カンパニー」の定義は次の通りです。
出典:ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則


【ビジョナリー・カンパニーの定義】
・業界で卓越した企業である
・見識のある経営者や企業幹部から、広く尊敬されている
・私たちが暮らす社会に、消えることのない足跡を残している
・最高経営責任者(CEO)が世代交代している
・当初の主力商品のライフサイクルを超えて繁栄している
・1950年以前に設立(設立から50年以上経過)している

 

ジム・コリンズ氏はアメリカの700社のCEOにアンケートを行い、18社のビジョナリー・カンパニーを選出しました。創業時から現在までの社史を6年にわたって調査した結果、経営者に共通する基本の法則と共通点を導き出しました。
経営者や管理職位者(上司)に必要なリーダーシップを5段階で表したものがレベル5リーダーシップであり、飛躍的に業績を伸ばす卓越した超一流企業の経営者に必要なのは、その中でも最高位を示すレベル5(第五水準)リーダーシップなのです。

 

リーダーシップ理論とレベル5リーダーシップ

リーダーシップ理論とは、優れた成果を導く組織やチームのリーダーにおいて、成果までのプロセスに共通する点や法則を理論化したものです。
どの時代にも、組織を統率する指導者が必要とされています。1900年代初頭から始まったリーダーシップ理論の研究が、現在もなお続いているのはそのためです。資質があり、人々から求められるリーダー像は時代を追うごとに変遷を遂げ、これまで支持されてきたカリスマ型や支配型ではなくなりつつあります。
現代のような変化の激しい時代に求められるリーダーシップは、ひとりのリーダーが導く形から、様々な分野の知識やスキルを持つ複数人がリーダーシップを取る流動的な形、奉仕型やビジョン型に移行しています。


レベル5リーダーシップは、1990年代にマッキンゼーの出身であるアメリカのビジネスコンサルタント、ジム・コリンズ氏によって提唱された新しいリーダーシップです。
良い(Good)企業から業界で卓越した(Great)企業へと成長させ、長期間高い業績を維持し続ける経営者たちに共通しているものが、5段階で表したリーダーシップのうち、最高水準のレベル5リーダーシップです。

 

リーダーシップ理論全般については、リーダーシップ理論とは何か? リーダーシップ理論で組織の問題を解決するにはのコラムで紹介しています。併せてご覧ください。

 

レベル5リーダーシップが注目されている背景

近年、支持されているリーダーシップは以前のようなカリスマ型や支配型といった強い力を持った一人のリーダーシップから、他者との関係性を考慮し互いに尊重し合う多様性のあるリーダーシップへとシフトしつつあります。
レベル5リーダーシップでは、リーダー自身が前面に出ることを望まず、企業や社会の成長のために貢献し野心を抱く姿は、周囲の人々の心を次第に動かしていきます。スキルや才能がありつつ謙虚で控えめな性格と高い人間性で信頼性を構築し求心力が高まった結果、皆がついていきたいと思わせるリーダーが誕生するのです。



レベル5リーダーシップに求められる5つのレベル

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ジム・コリンズ氏は、著書の中で「良い(Good)」なだけではなく「偉大な、卓越した(Great)」な企業であることを目指すのであれば、経営者や管理職位者(上司)にはレベル5(第五水準)のリーダーシップが求められるとしています。
リーダーシップはピラミッド型を形成し、レベル5が最高の水準を示します。レベル1から各レベルについて解説します。


レベル1(有能な個人)

才能や知識、スキル、勤勉さを持って生産的な仕事をする人です。


レベル2(組織に貢献する個人)

組織の目標達成のために自分の能力を発揮し、組織の中で周囲のメンバーとうまく協力し、組織のために貢献できる人です。


レベル3(有能な管理者)

人と資源を組織化し、決められた目標を効率的かつ効果的に追求出来る人です。


レベル4(有能なリーダー)

努力を生み出す力を持った、従来より高い業績目標を達成出来る人です。組織の目的にもしっかりとコミットが出来るのはもちろん、その想いを他の社員(従業員)にも伝播させることが可能です。


レベル5(第5レベルのリーダー)

謙虚さと意志の強さ、そして不屈の精神という相反する性質を持ち、卓越した組織を長期に渡り維持できる人です。

レベル5リーダーシップの各レベルで必要な能力

レベル1(有能な個人)は、経営者や管理職位者(上司)といったマネジメントの地位につく全ての人物が持ち合わせるべき水準としています。優れた能力を持つ個人という前提で、身につけた知識やスキルに加えて勤勉さが求められます。


レベル2(組織に貢献する個人)では、組織目標のために自分自身の能力を生かし、周囲と協力し合いながら達成に向かっていける人材が求められます。
いくら優れた能力を持つ人物であっても、独断で個人プレイに走ってしまっては優れたマネジメント人材とは言えません。偉大な企業へと成長させるには、協力し組織に貢献できる能力が不可欠です。


レベル3(有能な管理者)とは企業にとって資源を管理できる能力を持った人材です。企業の資源とは物質に限らず、スキルや能力、人材が含まれています。それらを組織化して管理し、目標達成のために活用できる能力が必要です。


レベル4(有能なリーダー)とは組織の方向性に対し、明確で説得力のある目標設定の能力がある人材です。社員(従業員)に対して目標実現に向けてモチベーションを高める刺激を与え、努力を生み出す力が必要です。


レベル5(第5レベルのリーダー)
レベル5のリーダーは企業の将来や社会のための貢献と奉仕を目的としているのが特徴です。
ジム・コリンズ氏は1から4までのレベルを持ち合わせた人は優秀な経営者またはミドルマネジメント層にふさわしいと考えています。彼らは野心を持ち、自分をよく見せることを優先しながらビジネスの成功に貢献している人が多いとしています。

しかし偉大な企業の経営者に共通する点として、さらにもう一段上のレベル5を定義づけ、レベル5のリーダーとそれ以外のレベル(1〜4)のリーダーでは根本的に性質が異なるとしています。


レベル5リーダーシップを持つリーダーの下では、リーダーについていくのではなく、それぞれ個人が組織に共通する理念や目標を追求し、達成させるために動きます。
これが、個人としての謙虚さと職業人としての意志の強さという、一見すると矛盾した性格を持ち合わせた経営者やリーダーが、飛躍的に業績を伸ばし卓越した偉大な企業を持続できる力なのです。

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レベル5リーダーシップについて理解し、実践につなげるための参考書籍をご紹介します。


ビジョナリー・カンパニーZERO ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる
ビジョナリー・カンパニーシリーズが発行される前の1992年にジム・コリンズ氏が記し、日本語訳されていなかったBeyond Entrepreneurshipの改訂版がビジョナリー・カンパニーZEROです。新たな研究結果が追記され、ビジョナリーシリーズ全5冊の総括とも位置付けられる一冊です。


ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則
レベル5リーダーシップを提唱したアメリカのビジネスコンサルタントであるジム・コリンズ氏の著書でビジョナリー・カンパニーシリーズの2冊目。本書内で全米1435社の中から大きな飛躍を遂げた偉大な企業11社を選出し、これらの企業に共通した特徴、レベル5リーダーシップを記しています。


ハーバード・ビジネス・レビュー リーダーシップ論文ベスト10 リーダーシップの教科書 (Harvard Business Review Press)
1922年にハーバード・ビジネス・スクールの機関誌として創刊されたのが、ハーバード・ビジネス・レ ビューです。こちらに掲載されたリーダーシップ論から選りすぐりの論文が掲載されています。リーダーシップ育成の指南書として、他のリーダーシップ論と比較しながら学べる一冊です。ウォレン・ベニス氏、ジム・コリンズ氏、ダニエル・ゴールマン氏等の第一人者が論を競わせています。

レベル5リーダーシップで組織開発を行うおすすめの方法

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レベル5のリーダーは個人の利益を得ようとするのではなく、企業の将来や社会のために貢献します。
職業人としての意志は固く、企業の成長にのみ野心を抱く存在です。
比較的慎重で控えめなタイプの場合、会議のような大人数の場において率先して意見を述べる機会は少ない恐れがあります。このような場合、常日頃から自分自身の意見やアイデアを伝える練習をすることが実践で活きてきます。相手にありのままの思いを打ち明けてもらうためには、根気強く傾聴し効果的に実践する必要もあります。


そこで外部のプロコーチによるマネジャー向け1on1ミーティングをご提案します。
〈hanaseru〉のコーチは全員が厳しい審査に通過したプロフェッショナルのキャリアコーチです。客観的な指標を踏まえた質の高い会話やコーチング理論に基づいた対話でマネジャーの自己理解が進み、自己効力感を高め、意識の変容を促します。


社外の第三者との対話は、思考や現状の説明を行いながら、思考の輪郭を明確にして言語化につなげます。
インプットとアウトプットを繰り返す継続的な仕組みでマネジメントに必須な自己効力感を育てて成長を促した結果、意識の変容で効果の定着が期待できます。

最後に: 近年注目のリーダーシップ理論「レベル5リーダーシップ」とは?のまとめ

レベル5リーダーシップとは、アメリカのビジネスコンサルタントであるジム・コリンズ氏によって提唱されたリーダーシップ論です。リーダーシップを5段階のピラミッド型で表し、最高位のレベル5は良い(Good)企業を業界で卓越した(Great)企業へと成長させ、長期間高い業績を維持し続ける経営者に共通しているものです。

レベル1(有能な個人)
レベル2(組織に貢献する個人)
レベル3(有能な管理者)
レベル4(有能なリーダー)
レベル5(第5レベルのリーダー)

 

1から4までのレベルに加え、個人としての謙虚さと職業人としての意志の強さという二つの矛盾した要素を併せ持っています。そのためカリスマ性や強さを誇示するリーダーとは異なり、普段は存在感を隠し、あくまでも自分は目立つ必要はないと考えています。しかし周囲のメンバーからの信頼度は高く、企業側も共通の目的や理念を追求しようとするのが特徴です。しかしながらさらに強い組織を目指すには、時には他者からの客観的な視点が必要ではないでしょうか。


〈hanaseru〉は、デジタルアンケートとプロフェッショナル人材の1on1キャリアコーチングを組み合わせて、話せる風土と自律自走する強い組織を目指します。コーチング理論に基づいた対話でリーダー層の心境を把握して自己効力感を高め、メンバーへのコミュニケーションを含めたマネジメント力の向上を図ります。
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