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リーダーシップ理論とは何か? リーダーシップ理論で組織の問題を解決するには

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リーダーシップ理論とは何か? リーダーシップ理論で組織の問題を解決するには

人材育成の分野では社会的背景の移り変わりと共に、求められるリーダー像も変化を遂げています。今回のコラムでは、リーダーシップ理論の歴史や変遷、新しいスタイルのリーダーシップ論について徹底解説します。

リーダーシップ理論とは何か?

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リーダーシップ理論とは、1900年代初頭から続く研究です。優れた成果を導く組織やチームのリーダーにおいて、成果までのプロセスに共通する点や法則を理論化したものです。

 

リーダーシップとは

リーダーシップとは、指導者としての能力・力量を指し、組織を率いるために必要な能力を意味します。

アメリカの経営学者ピーター・F・ドラッカーは、リーダーシップについて3つの定義を述べています。

 

①リーダーシップとは仕事

リーダーシップはカリスマ性といった人を引き付ける資質ではなく、組織の使命を果たし、目標達成するための仕事の一部となります。

 

②リーダーシップとは責任

リーダーとは権威ある地位を指すのではなく、失敗を人のせいにせず、最終的に全ての責任を負う存在ともいえます。

 

③リーダーシップには信頼が必要

リーダーシップにはリーダーに信頼を寄せ、発言に確信を持ち、決して強制的ではなく、自らの意思で追従する存在が必要です。

 

リーダーシップ理論とは

どの時代にも組織を統率する指導者としての資質のある人材が必要とされてきました。求められるリーダー像は時代を追うごとに変遷を遂げています。

 

リーダーシップ理論が注目されている背景

現代はVUCAの時代と呼ばれ、先行き不透明なビジネス環境や社会情勢が続いています。

人々の価値観は変化し、ビジネスで注目されるリーダーシップのスタイルも、これまでの支配型から奉仕型やビジョン型に変化しています。

 

現代のような変化の激しい時代に求められるリーダーシップは、ひとりのリーダーが導く形から、様々な分野の知識やスキルを持つ複数人がリーダーシップを取る流動的な形に移行しつつあります。

現在注目を集めるリーダーシップ理論は後ほど説明することにし、今までのリーダーシップ理論の歴史や種類について詳しく解説していきます。

リーダーシップ理論の歴史と種類

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100年以上研究が続いているリーダーシップ理論は、以下4つに大別されます。

・特性理論

・行動理論

・条件適合理論

・コンセプト理論

 

リーダーシップ特性理論

リーダーと呼ばれる人物には先天的に共通する特性や資質が備わっているとするのが特性理論です。

リーダーとそれ以外の人の違いを分析して明確にし、よりリーダーにふさわしい人を選出し、生産性向上を目指すものです。1900年代から1940年代以前までの主流で、リーダーシップ研究の基盤になっていました。

この研究ではリーダーと非リーダーの違いしか分からず、リーダーの普遍的な特性の発見には至りませんでした。そのため、リーダーシップは先天的な才能ではなく、後天的な育成が可能との考え方が生まれ、「特性理論」から「行動理論」へと移行していきました。

 

個人の特性把握の観点から生まれた理論を3つご紹介します。

 

①ビッグ・ファイブ理論

1990年代に提唱された性格分析理論の一つ。適性検査や性格と業績の関係性研究など、5つの因子の組み合わせから性格を導き出す性格分析理論

 

②MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)

【マイヤーズ・ブリッグスタイプ指標 16タイプ性格診断】

内観的な自己申告型診断テスト。被験者は、外向型・内向型、感覚型・直観型、思考型・感情型、判断型・認知型の4つの二分法を掛け合わせ、16の性格類型に分類されています。

 

③クリフトンストレングス™

米国ギャラップ社の開発したオンライン「才能診断」ツール。177個の質問に答え自らの才能、強みの元を導き出します。34資質のうち最も特徴的な思考、感情、行動の5つが診断結果となります。



リーダーシップ行動理論

1940年代から1960年代にかけて発展したのがリーダーシップ行動理論です。

有益なリーダーシップを取る人物の行動に着目し、非リーダーとの違いを比較したものです。どのような行動がリーダーを作り上げフォロワーの成果達成を導くのか、行動のタイプ分けを試みています。

主に個人の能力や関心度の分析を行い、現在も広範囲において活用されています。デメリットは個人の能力にのみフォーカスし、外的影響に触れていない点と客観的評価が出来ない点です。

 

行動理論の代表的な研究例を2つご紹介します。

 

①PM理論

日本人社会心理学者、三隅二不二(みすみじゅうじ)によって提唱されたPM理論は、Perfomance(目標達成能力)とMaintenance(集団の維持能力)の2軸でリーダーシップの行動を類型化し、評価します。

頭文字のPとMを数値の高さで大文字と小文字に記号化し、4つに分類されています。

 

・pm型(目標を達成する力も、集団を維持・強化するも弱い)

・pM型(集団を維持・強化する力はあるが、目標を達成する力が弱い)

・Pm型(目標を達成することはできるが、集団を維持・強化する力が弱い)

・PM型(目標を達成する力があると同時に、集団を維持・強化する力もある)

4つのうち、両方が大文字で表されるPM型のリーダーシップが一番望ましいとされます。

 

②マネジリアル・グリッド論

マネジリアル・グリッド論は1960年代にアメリカのブレイク教授とムートン教授によって提唱されました。

人間への関心度と生産業務への関心度の2軸で捉え、それぞれどの程度の関心を持つか9段階で評価し、計81の分類を割り出すものです。

81パターンは概ね以下の5種類に該当します。

 

・消極型(生産業務と人間、両方の関心が低い)

・仕事中心型(生産業務にのみ関心がある)

・人間中心型(業務より人間にだけ関心がある人情型)

・中庸型(生産業務と人間の両方にほどほどの関心がある)

・理想型(生産業務と人間の両方に高い関心がある)

ここでは理想型が一番望ましいリーダーであると結論づけています。

 

リーダーシップ状況適応理論

1960年代に登場したリーダーシップ状況適応理論は、個人の特性や行動に限らず、組織や集団の置かれている状況や条件に着目した研究です。

特性や行動が同じでも、リーダーシップ発揮の能否が分かれるのはなぜか。如何なる状況や条件下でもその場に相応しいスタイルを選択できるのが、優れたリーダーであると考えました。

リーダーシップ状況適応理論の代表的な研究例を2つご紹介します。

 

①パス・ゴール理論

パス・ゴール理論はアメリカの経営学者ロバート・ハウスによって提唱されました。集団が置かれた環境と部下の性格や能力を掛け合わせると、有効なリーダーの行動が決定すると考えています。目標経路論とも呼ばれ、部下がゴール(目的)に達するまでリーダーはパス(道筋)をつけなければならないとしています。

また直面する課題や組織などの環境的要因と、部下の能力や性格といった要因により、下記のスタイルを使い分け、有益なリーダーシップを発揮します。

 

・指示型 課題達成の方法や工程を具体的に示す

・支援型 部下に気づかいや配慮を示す

・参加型 決定を下す前に意見を聞き、活用する

・達成志向型  高い視野から部下に成長を求める

 

②SL(Situational Leadership)理論

シチュエ―ショナル・リーダーシップ理論は、アメリカの行動科学者ポール・ハーシーとアメリカの組織心理学者ケン・ブランチャードにより提唱されました。頭文字をとってSL理論と言われ、状況対応型リーダーシップを意味します。

これまでは最善のリーダーシップがあると言われてきたのに対し、SL理論はリーダーシップには絶対の正解がないという前提の下に提唱されました。

画一的なリーダーシップでは必ずやり方に合わない社員(従業員)が現れます。部下のスキルやモチベーションに合わせ、個々人に適切な方法を使い分けるために、リーダーシップにはコミュニケーションとサポートが最適であると考えられています。

 

SL理論【4つのリーダーシップ型】

・S1 委任型(成熟度低)リーダーの指示的行動は多く、援助的行動は少ない

・S2 援助型   ↓   指示・援助共に多い

・S3 コーチ型  ↓   援助が多く、指示は少ない

・S4 指示型(成熟度高)援助・指示共に少ない

SL理論はリーダーシップが顕在化する状況を様々な角度からとらえるアプローチですが、理論の正当性を裏付ける研究に欠けているのがデメリットと言えます。

 

リーダーシップコンセプト理論

リーダーシップコンセプト理論とは条件適合理論をさらに発展させたもので、良いリーダーシップは相対的であり、タスク状況や組織のメンバーによって流動的に変化させる必要性があると指摘しています。

リーダーとフォロワー間の様々な状況において、どのような価値の交換が有益か、リーダーシップのいかなる発言が信頼を獲得するかを明確にする考え方です。

 

リーダーシップコンセプト理論は現在のリーダーシップ理論の主流で、その中でも代表的なリーダーシップを5つの型に分類しています。

 

①カリスマ型リーダーシップ 

目標達成の責任をすべてリーダーが背負い、そのカリスマ性で部下を率いて適切な業務分配を行います。デメリットは部下の主体性が失われる点にあります。

 

②変革型リーダーシップ

組織やチーム方針の抜本的改革を推進します。危機的状況を改善し成功体験によりメンバーの自発的行動を促進します。デメリットは、変革型リーダーシップを発揮できるリーダーの減少になります。

 

③EQ型(Emotional Intelligence Quotient)リーダーシップ

良好な職場環境や人間関係構築に努め、部下のモチベーション維持に注力し、成果を導くリーダーシップになります。チームワークの良さを重視したい場合に効果を発揮し、感情のコントロールに長けたリーダー向きといえます。

 

④ファシリテーション型リーダーシップ

上下関係なく中立な立場をとり、リーダーがメンバーの意見を引き出していくスタイルです。リーダーの信頼が特に重要視され、メンバー主体での運営に有効となります。

 

⑤サーバント型リーダーシップ

リーダーがメンバーのサポートに回り、メンバーの能力を最大限に生かします。最終的な意思決定はリーダーが持ち、それ以外の裁量はメンバーに任されリーダーは援助的行動に従事。高い能力を持つメンバーがいるチームではサーバントリーダーシップとして本領を発揮します。

 

注目されている最新のリーダーシップ理論

近年、注目を集めているリーダーシップ理論に共通しているのは、牽引力や統率力よりも、周囲に与える高い影響力を持つ点です。ここでは、参考として近年話題のリーダーシップ論についてご紹介します。

 

①オーセンティック・リーダーシップ

オーセンティックとは本物の、自分らしいを意味します。自分自身に正直で倫理的な行動を選択し、共感、信頼に基づく関係の構築で組織を導きます。常に人間として成長することで、メンバーをよりよい状況に導くことが特長になります。

 

②シェアド・リーダーシップ

漫画「宇宙兄弟」で注目度が高まったシェアド・リーダーシップは、問題解決の場において、その場で最適だと思われるメンバーがリーダーシップを発揮、言わばチーム全員がリーダーシップをシェアするスタイルです。リーダーとフォロワーは流動的で、フォロワーはリーダーシップに共感し、自分の意思でついていくと決めます。やらされているのではなく自ら参加したいと決めた時点でフォロワーシップの責任が生まれます。

リーダーシップ理論で組織の問題を解決するには

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ここまでリーダーシップ理論の歴史と変遷、そして現代注目されているリーダーシップ理論について解説してきました。

 

リーダーシップ理論で組織の問題を解決するには

組織内の問題も、世代による価値観や働き方の相違など内容が刻々と変化しています。

そのため組織の問題解決には様々なリーダーシップ理論の内容を理解する必要があります。

また自身とチームメンバーの特性や資質、そして取り巻く職場環境や状況によって適した接し方を理解し、相応しい理論を選択し実践することにより、目標達成や成果にも大きく変化が表れるでしょう。

 

現場のマネジャーがリーダーシップ理論を実践する

リーダーシップ理論を実践するには、まずマネジャー自身のリーダーシップ行動について具体的な行動パターンの策定が必須です。

またメンバーの自発的な行動促進のためにモチベーション向上や能力を引き出す働きかけも必要とされます。

 

組織の課題解決に外部リソースの活用という選択肢

マネジャーは自身のスタイルに見合う理論を見つけ、必要なスキルの習得も欠かせません。しかし、長年研究されてきたリーダーシップ理論を体得し実践にするには、一朝一夕には成しえません。個々のマネジャーで受け止め方の差異が生じるとかえってメンバーの意欲が削がれかねないため、外部リソースを活用し、第三者の客観的視点から組織の課題解決に切り込むのも一案だと言えるでしょう。

最後に: リーダーシップ理論とは何か? リーダーシップ理論で組織の問題を解決するにはまとめ

100年以上研究され、今なお変遷を遂げているリーダーシップ理論。現在の状況やメンバー、リーダーの特性はリーダーシップ理論の選択にとって重要な意味があります。

新時代を築くスピードが加速化している今、リーダーシップ理論の真の理解、理論の掛け合わせや取捨選択は組織の問題解決の近道につながります。

 

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