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近年注目のリーダーシップ理論「オーセンティックリーダーシップ」とは?

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近年注目のリーダーシップ理論「オーセンティックリーダーシップ」とは?

2003年に提唱された比較的新しいリーダーシップである「オーセンティックリーダーシップ」が近年注目を集めています。自分らしさを生かしたリーダーシップと言われるオーセンティックリーダーシップ。
この記事では、誕生のきっかけやメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

オーセンティックリーダーシップとは?

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オーセンティックリーダーシップとは自分に正直であり、真の自分らしさを生かしたリーダーシップという意味になり、オーセンティック(authentic)とは英語では「本物の、真正な、信頼できる、頼りになる、信念に基づく」という意味があります。オーセンティックリーダーシップとは自分に正直であり、借り物ではなく自らの倫理観や価値観に基づいた真の自分らしさで導いていくリーダーシップになります。


オーセンティックリーダーシップを最初に提唱したのは、米国メドトロニック社の元CEOであるビル・ジョージ氏です。
メドトロニック社は心臓ペースメーカーを中心とした医療機器の開発・製造・販売を行う企業です。ビル・ジョージ氏は世界的医療技術企業に成長させた貢献度を称え、米国経営協会から「2001年度最高経営者」、米国経営者連合から「2002年度最高経営者」、“ビジネス・ウイーク”誌から「トップ25人の経営者」のひとりに選出されました。
2003年に出版されたビル・ジョージ氏の著書「Authentic Leadership」(邦題は「ミッション・リーダーシップ」生産性出版)において、オーセンティックリーダーシップを提唱し、本物の新しいリーダー像の在り方と重要性を説いています。

 

リーダーシップ理論とオーセンティックリーダーシップ


リーダーシップ理論とは、目覚ましい成果を導く組織やリーダーが、成果を収めるまでの過程で共通する要素や法則を理論化したものです。1900年代初頭から現在もなお、時代や環境の変化により変遷を重ねながら続いている研究です。
研究初期、リーダーシップとは先天的に共通する特性や資質が備わっているものという見解でした。しかし現代では、リーダーシップは生まれつきではなく、練習を重ねたり研修を通して習得することで、後天的に身につけられるものへと、見解も変化しています。
近年、注目を集めているリーダーシップ理論に共通する要素は、牽引力や統率力よりも、周囲に高い影響を与えているかどうかです。
オーセンティックリーダーシップは2000年代になってから提唱された比較的新しいリーダーシップであり、高い倫理観や道徳観を持ち、リーダー自身の価値観や考え方に基づいて組織を導くとしています。


リーダーシップ理論全般については、「リーダーシップ理論とは何か? リーダーシップ理論で組織の問題を解決するには」のコラムで紹介しています。併せてご覧ください。詳細はこちらのコラムで解説しています。


オーセンティックリーダーシップが注目されている背景

長年、リーダーシップは権力やカリスマ性、才能を備えた強くたくましい人物によるものであると考えられていました。しかし近年では、リーダーは知識や価値観、人格によって判断されるようになりつつあります。
2003年に提唱されたオーセンティックリーダーシップは、ビル・ジョージ氏のリーダーシップ経験に裏打ちされたものです。自著「Authentic Leadership」(邦題は「ミッション・リーダーシップ」生産性出版)の中で「オーセンティックリーダーシップには社会性が求められる」と言及しています。自分らしさを貫くリーダーは目標に対して情熱的に取り組み、自らの価値観や軸が揺らぐことなく実践につなげます。弱みを隠さず感情もあらわにして人間らしさを見せつつ、自分の強みを打ち出し、周囲との信頼関係を築き上げるのです。


オーセンティックリーダーシップが注目されている背景には、
VUCAの時代
・Volatility(不安定)
・Uncertainly(不確定)
・Complexity(複雑)
・Ambiguity(曖昧)
※頭文字を取った造語


と呼ばれる予測不能な時代の変化が大きく影響していると考えられます。過去の慣習に捉われたままのリーダーが方向性を誤った場合、組織やチームの崩壊は免れません。
個人の価値観が向上し、自律的な働きで組織に貢献したいと考え、柔軟な対応や発想の人材が増えている現在、弱さや本音を見せながらありのままの自分で周囲へ語りかける姿が信頼関係の構築につながっていくのです。

 

また、提唱者のビル・ジョージ氏が言及しているように、倫理観を失ったリーダーたちによる企業の不祥事も大きな要因です。

自著「Authentic Leadership」(邦題は「ミッション・リーダーシップ」生産性出版)の序章でエンロン社、アーサーアンダーセン社について触れているように、大手有力企業が不祥事発覚により、倒産や解散に追い込まれました。日本でも大手企業の粉飾決算が発覚し経営破綻したことは周知のことです。

これらのことから自分自身の価値観、倫理観でリーダーシップを発揮する真正なリーダーシップが注目されるようになったと考えられます。

 

オーセンティックリーダーシップに求められる5つの特性

提唱者であるビル・ジョージ氏はオーセンティックリーダーシップに求められる特性を5つ挙げています。
ここでは特性の要素を分解し、目的観、価値観、真心、人間関係、自己統制の5つの特性について解説していきます。


①目的観

自分が果たすべき目的を明確に理解していることを指します。従来のリーダーのイメージにとらわれず、自分の目標に対して情熱的に取り組む姿勢を意味しています。


②価値観

自身の価値観を理解し、ブレのない確固たる価値観に基づいた行動が実践できることを指します。


③真心

知識だけでなく感情の両面から本音で語り、人々を牽引していきます。リスクを伴っても弱みや感情を包み隠さず見せる姿勢です。


④人間関係

周囲の人々と長期にわたって良好な信頼関係を築くことです。


⑤自己統制

肩書や外的要因に左右されることなく自身を律し、常に学ぶ姿勢を指します。
先述の通り、ビル・ジョージ氏がオーセンティックリーダーシップを提唱したのは、米国エンロン社の不祥事がきっかけです。
「経営リーダーが真正の方法で経営に取り組み、組織をリードしていれば、世界の人々に多大の幸福をもたらし、世界を変えることに貢献できる、永続的な組織を築くことができる」
と記し、ビル・ジョージ氏は、オーセンティックリーダーシップにとって高い倫理観が必要だと説いています。


出典:『ミッション・リーダーシップ』(ビル・ジョージ 生産性出版)P19

オーセンティックリーダーシップのメリット・デメリット

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自分に正直であり、真の自分らしさを生かしたオーセンティックリーダーシップが持つメリット・デメリットは表裏一体と言えます。


オーセンティックリーダーシップのメリット


①自分の価値観を信じる
リーダーの数だけリーダーシップのスタイルがあるという考えから、臆せずに自分らしさで堂々と勝負しようと気持ちを切り替えられるのがメリットといえます。リーダーは強みや弱みを含めすべての感情をさらけ出す覚悟で臨み、誠実さで信頼関係を築き上げた周囲のメンバーや部下に足りない部分を補完してもらいながら、組織として出来る範囲を拡大できます。


②コンプライアンスの強化
また高い倫理観を必要とするオーセンティックリーダーシップでは、リーダーの価値観が社員(従業員)に大きな影響を与えます。正義感を軸としたリーダーシップが不正の防止やコンプライアンスの強化につながります。


オーセンティックリーダーシップのデメリット

オーセンティックリーダーシップでは常に自分らしくあれと説いています。しかしリーダーの資質に欠ける人物がその点をはき違えると、これが自分らしさだから仕方がないと開き直り、わがままな振る舞いを正当化し、独善的になってしまう懸念があります。
オーセンティックリーダーシップにとって重要なのは、自分はどのような人間であるのか、周囲の信頼できる同僚にどう見られているのかを知ることであり、フィードバックを謙虚に受け入れる姿勢と内省による人間形成が必要です。決して自分勝手な振る舞いがすべて許されるという意味ではありません。

オーセンティックリーダーシップと組織開発

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オーセンティックリーダーシップと組織開発


人との関係性の変化・相互作用を促し、組織そのものをより良い方向へと変化させるために、リーダー自らの価値観と人間味を包み隠さず見せ、信頼関係を構築するオーセンティックリーダーシップの精神は非常に有効です。オーセンティックリーダーシップを開発するためには、まず自分自身を深く理解し、行動を振り返る必要があります。次に開発のステップを解説していきます。


<オーセンティックリーダーシップを開発する4つのステップ>
①自分自身を理解する
自分の強み・弱みを把握し、自分の態度や行動に対する周囲の評価、自分が情熱を持っているものについて客観的思考で理解する必要があります。自らの価値観や目的、特性に対する正しい理解は、本質に根差した自分らしいリーダーシップを生み出します。


②自分の倫理観について理解する
オーセンティックリーダーシップの誕生は企業の不祥事の多発がきっかけであると言われています。
リーダーのモラル低下は多くの有力企業を破綻させてきました。世の中にあるモノ・コト・ヒトに対して常に公平であるために、外的要因に影響されない自身のコア・バリューである倫理観を理解します。


③自分の行動を確認する
自分自身のあり方を考え、自分の目標、価値観や倫理観に基づいた行動ができているのか、常に自問自答し確認を行います。信頼のおけるリーダーの行動には一貫性があり、自身のコア・バリューが反映された行動を取っています。自分の行動を深く観察し、価値観や倫理観と照らし合わせる必要があります。


④周囲と公平な関係性を保つ
オーセンティックリーダーシップでは、周囲と公平で透明性のある関係性を保つ必要があります。隠し事のないありのままの自分でコミュニケーションを取り、弱みもさらけ出しながら周囲と対等な人間関係を構築することで信頼を高め合うことが大切です。


オーセンティックリーダーシップの事例


日本ラグビーフットボール協会で2010年から現在まで指導者を指導する立場であるコーチングディレクターを務める中竹竜二氏は、オーセンティックリーダーシップ講演で次のように語っています。


「人間は組織や集団の中にいると、つい自分を優秀であるように見せたくなる習性があり、偉くなればなるほど自分を偽ることに無駄なエネルギーを使っている。組織のリーダーが、自分の良いところも悪いところも含めてさらけ出すことができたのであれば、チームメンバーにも自分をさらけ出す勇気は伝播し、全体が無駄なことにエネルギーを使わずにすむ。
自分らしさとは周囲との比較で顕在化する。メンバーとの積極的な交流で自己開示し、フィードバックやアドバイスをもらうとよい。繰り返すうちに自分らしさが見えてくる。
最も大事なのは、自分やメンバーの持つ力を真に引き出し、チームのパフォーマンスを最大化することだ。常にありのままの自然体で、自分の弱みをさらけ出せるリーダーは、変化に対応でき、逆境でも揺るぎない強さを発揮できる。ひいては個の幸せにもつながる。」とまとめています。


出典:いまなぜオーセンティック・リーダーシップが必要なのか


オーセンティックリーダーシップに外部リソースの活用を


オーセンティックリーダーシップにとって組織の人間関係構築は、非常に重要な役割を担っています。先述の通り、オーセンティックリーダーシップは本来の自分らしさを全てさらけ出し、感情面から相手を牽引して実りある人間関係を構築していきます。自分自身の強み・弱みを見せ、心理的安全性の高い場所で相手からも打ち明けてもらうためには1on1ミーティングが有効です。

1on1を効果的に実践するには、傾聴の経験とスキルが必要ですが一朝一夕に身につくものではないのが実情です。またスキルには個人差もあるため習得に時間がかかる場合、第三者の外部リソースを活用するのもひとつの案です。


〈hanaseru〉の1on1ミーティングは悩みや本心を導き出し、個人の自発的な行動を促し、価値ある意見交換を可能にします。外部プロ人材のキャリアコーチングで自律型人材育成と企業の成長を促進します。

最後に: 近年注目のリーダーシップ理論「オーセンティックリーダーシップ」とは?のまとめ

オーセンティックリーダーシップとは、米国メドトロニック社の元CEOであるビル・ジョージ氏が提唱した、自分らしさを生かしたリーダーシップを指します。エンロン社の不祥事をきっかけに生まれたと言われるオーセンティックリーダーシップは、自分なりの価値観、倫理観を尊重し、周囲を導いていきます。
オーセンティックリーダーシップは目的観・価値観・真心・人間関係・自己統制を重視する特性があります。


最後に、ビル・ジョージ氏は著書「Authentic Leadership」(邦題は「ミッション・リーダーシップ」生産性出版)でこのように述べています。

「本物のリーダーになるためには、各人が自分自身の人格や性格と合致する形で、自分に固有のリーダーシップのスタイルを開発すべきである。しかしきわめて残念なことに、組織からのプレッシャーから我々はその組織の規範的なスタイルを身につけるように圧力を受ける。しかし自らの特性と一致しないスタイルを身につけようとすれば、我々は決して本物のリーダーになり得ないのだ。」 

 

このような自分らしさを生かしたリーダーシップを目指せるのが、オーセンティックリーダーシップなのです。

 

〈hanaseru〉は、デジタルアンケートとプロフェッショナル人材の1on1キャリアコーチングを組み合わせて、話せる風土と自律自走する強い組織を目指します。コーチング理論に基づいた対話でマネジャーの自己理解が進み、自己効力感を高め、意識の変容を促します。お気軽にお問い合わせください。


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