続いては、これからの人材育成に必要とされるのはどのようなことなのか、具体的に紹介していきます。
社員一人ひとりの素質を把握し、それを活かす
企業が時代の変化やニーズを捉え、常に新しいモノやサービスを生み出していくためには、スピード感が重要です。そのためには、社員一人ひとりの素質を把握し、それを活かすための人材育成が有効です。浅く広くのゼネラリストではなく、専門領域を持ったプロ集団のほうが、スピード感のある経営につながります。
また、マネジメント層だけでなく、社員一人ひとりが自分の素質や個性を活かしつつ、自ら考え、行動し、実現していく力を身につけることで、これまでにない新たな幅広い発想やアイディアが集まりやすくなるでしょう。
これからの人材育成では、社員一人ひとりに個性や特性があることを踏まえて、それぞれの強みや弱み、素質を把握し、自己実現に向けて適所で活かしていくことを重要視する必要があると言えます。
社会環境に合わせて働き方や制度は柔軟に見直す
これからの人材育成において、働く環境を整えることも必要不可欠です。
少子高齢化に伴う労働力人口の減少が深刻化する現代で優秀な社員を確保するには、働き手のニーズや社会環境に合わせて、働き方や制度を柔軟に見直すことが求められています。
また、働き方や制度を適切に見直すことは、社員のストレス軽減やワークライフバランスを改善し、仕事に対する意識の向上、企業の生産性向上にもつながります。
また、優秀な人材は、自分の能力を十分に発揮できる環境を求めていることから、働く時間や場所、取り入れる制度は柔軟に見直すことで、企業の発展に必要不可欠な人材が集まりやすくなるでしょう。
固定観念にとらわれず多様性を尊重
さまざまな人材がいる企業において、勤労に対する社員一人ひとりの価値観は多様化しています。そのため、これからの人材育成においては、固定観念にとらわれず、社員それぞれの多様性を尊重することが必要になってくるでしょう。
企業が多様性を尊重した人材育成をすることによって、社員はこれまでの型にはまらない新しい考え方で業務に取り組むことができます。企業が社員の多様性を尊重することは、社員の眠っているポテンシャルに自ら気がつく機会を生み、創造力の向上や社員の能力を高めることにもつながります。
豊かな生き方を実現するための取り組みを行う
企業の業務向上や社員の育成につながるキャリアパス制度は、人材育成において必要不可欠であり、取り入れる企業も多くなってきました。
しかし、企業内におけるキャリアアップを示したキャリアパスを示したとしても、自分の将来や生き方に不安を感じる社員にとっては物足りなさを感じることもあるでしょう。
これからの人材育成では、企業内におけるキャリアパスにとどまらず、社員の人生をも視野に入れ、社員一人ひとりが豊かな生き方を実現するために管理職が社員との対話力を向上させるための取り組みを取り入れることが必要だと言われています。
企業内の業務に関わる内容以外にも一人ひとりの生活や人生に直結する内容の対話を行うことは、社員の満足度や会社への帰属意識を高めることにつながり、企業にとっても生産性の向上や業績向上といったメリットが生まれるでしょう。
