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マイクロマネジメントとは何か?増加の背景や改善策を解説

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マイクロマネジメントとは何か?増加の背景や改善策を解説

過度な干渉や細かな指示で部下を管理するマイクロマネジメントが近年、増加傾向にあります。本記事では、デメリットが多いと言われるマイクロマネジメントがなぜ増加しているのか、組織や部下に及ぼす影響、増加の背景や改善方法について詳しく解説していきます。

マイクロマネジメントとは何か?

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マイクロマネジメントとは、管理者である上司やリーダーが部下を強い監視下に置き、細かく管理することをいいます。行動を逐一チェックし、過干渉気味に細かい指示を出すスタイルで、部下はマイクロマネジメントにストレスを感じている一方、上司側は気づかずに行っているのが特徴です。

マイクロマネジメント増加の背景・理由

以前から過干渉な上司の存在は認識されていましたが、近年、マイクロマネジメントという言葉がよく聞かれるようになりました。マイクロマネジメントが増加した背景について詳しく解説していきます。

 

①テレワーク・リモートワークの普及

新型コロナウイルスの流行は今までの職場環境を大きく変化させ、テレワーク・リモートワークを導入する企業が急速に増加しました。出社の必要がなくなると、オフィス内で顔を見ながら部下の様子を確認できていた上司は、部下のすべての行動を把握できなくなりました。
その結果、仕事ぶりや進捗状況を不安に感じ、こまめな進捗報告を強要し、過度な監視をするケースが増えています。
特にテレワーク・リモートワークへの理解度が浅く不慣れな上司ほど、マイクロマネジメントを強める傾向にあります。


②働き方改革の推進

働き方改革で長時間労働の是正が課題になった結果、残業時間の上限が明確に示されるようになりました。上限を超過すると企業側に罰則が科される可能性もあり、部下に残業を強要することが難しくなりました。しかし、そもそもの業務量に変化がなく人員の増加が行われずに労働時間だけが削減されると、今までの業務は滞ってしまいます。そのため、上司は部下の終業後も、残った仕事に取り組まざるを得ない状況が生まれます。
業務に追われ部下を育成する余裕がなくなったことに加え、成果を出す必要がある上司はミスが起きないよう部下の行動を管理し、上司の指示通りに動くようにマネジメントする意識が働いてしまうのです。

 

③人材の多様化

職場のダイバーシティが推進され、国籍や年代、価値観の異なる人材が共に働くようになると、今までは暗黙の了解で済まされていたルールが通用しなくなります。対話や意見交換の時間でコミュニケーションを取るよりも、マイクロマネジメントで部下の行動を制限する方が近道だと考えてしまう上司が多いようです。
また中途採用の人材は前職の経験を基に新たな息吹をもたらすケースもある一方、前職のやり方に固執し、今の企業の風土やしきたりにスムーズに馴染めないケースもあります。その結果、一人ひとりの行動を細かく管理するマイクロマネジメントに向かいがちです。


④主力市場の成熟化

主力事業の市場成熟化が進むとシェアの奪い合いが起こります。需要は減少トレンドに向かい、新規事業や新たな価値の創出が求められる時期に差し掛かります。しかし今まで主力事業を推進してきた分、現状維持バイアスが強く働き、変化に対する抵抗感が強まり、部下の変化に対し敏感に反応してしまいます。
業績悪化を防ぐためにミスや予想外の状況を減らす必要が高まり、慣例と違うことに対して細かく仕事を管理しようとする意識が働いてしまうのです。

マイクロマネジメントが及ぼす組織・社員(従業員)への影響とは?

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マイクロマネジメントは、新入社員のスケジューリングや新規プロジェクト立ち上げといった限定的な場面での利点は見られますが、一般的にはデメリットが大きいため推奨しにくいと考えられています。組織や社員(従業員)への影響について詳しく説明します。


部下のモチベーション低下や離職の増加

上司の過度な進捗状況確認や束縛で、部下は仕事の自由度を制限されます。指示された仕事のみを行う部下は上司の信頼を得られていないと感じ、仕事に対するモチベーションを徐々に失っていきます。
特に真面目な性格の部下は自責の念に駆られ自己否定を招き、メンタル面の不調の原因にもなりかねません。
また優秀な部下ほど、ここにいては成長の機会を奪われると感じ、離職にまでつながるケースも増加しています。


自律型人材が育成できなくなる

マイクロマネジメントは事細かく指示を出されるため、部下はその通りに動いていると自分で考える機会を奪われてしまいます。指示待ちの部下は受け身のため思考停止に陥りやすく、自分の考えで判断できず、臨機応変に柔軟な対応ができなくなります。
また、小さなミスに対しても上司から過剰に叱責されるあまり、失敗を恐れ行動しなくなる傾向にあります。過干渉が部下の成長を妨げ自律型人材の育成が困難になるのが、マイクロマネジメントの弊害です。


上司がマネジャーとしての役割を果たせなくなる

事細かく干渉し、部下に逐一指示を出していると、上司の業務は増える一方です。管理に時間がかかり、本来すべき役割であるマネジメントを担えなくなります。戦略立案や将来を見据えた部下の育成といった優先事項に手が回らず、組織を停滞、衰退させる原因へとつながります。


組織全体のパフォーマンスが低下する

マイクロマネジメントで指示待ちの部下を多数生み出してしまった結果、主体性のない部下の増加で意見や提案が生まれなくなり、チーム力が低下します。組織全体のパフォーマンスが低下し、成果が上がらなくなると他の部下のモチベーションも下がり、修正不能に陥る可能性も予測できます。
またストレスによるメンタル面の不調を訴える部下の増加は、休職、最悪の場合は退職を余儀なくされ、組織全体の弱体化のリスクにつながります。

マイクロマネジメントを改善するには

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厳密なマイクロマネジメントは上司の業務負担感を増大させると考えられています。
出典:パーソル総合研究所 「中間管理職の就業負担に関する定量調査
それでは、なぜ上司はマイクロマネジメントを行ってしまうのか、その原因を洗い出す必要があります。
これらを踏まえて、マイクロマネジメント改善のポイントを説明します。


上司が果たすべき役割を理解する

先述の通り、上司の果たすべき役割は戦略立案や将来を見据えた部下の育成、そして部下のやりがいや達成感の実現にあります。上司の本来の役割は、組織目標の達成で成果を上げることです。細部にとらわれ重箱の隅をつつくような部下の管理に時間を費やすのではなく、一度原点に立ち返り視野を広げて全体を見通す必要があります。


上司の意識を改革する

マイクロマネジメントを行う上司にはいくつかの特徴があります。


・部下の管理責任を問われる不安があり、上司自身の評価に直結するミスを避けたい
・若い頃に大きな失敗をし、部下に同じ思いをさせたくない親心から過干渉になる
・自己顕示欲が強く、過去の大きな成功体験による絶対的自信があり部下の意見を聞き入れず、マイクロマネジメントで自分のやり方を押し通す
・部下の信頼や尊敬を得て、周囲から高評価を受けたい思いが強い


このような点から無意識のうちに部下に対して、必要以上の指示や監視を行っている傾向がうかがえます。全ての部下に対し上司の考える完璧さを求めるのは無理があります。上司自身が意識を変え部下の適性を考えて導く姿勢が重要です。


部下の主体性を育む

部下の主体性を育むために、部下の意見を取り入れるのもポイントです。また、失敗を恐れずチャレンジできる環境も大事です。部下は、自分の意見が取り入れられると、自ずと信頼されていると感じ責任感を持って業務に取り組むようになります。この時に部下の意見を取り入れながら上司の意見とミックスさせて、本人のやる気を生み出しながら主体性を育んでいくのが大切です。


部下に権限を委譲する

部下が自主性を持って考え能動的に行動できるようになった時点で、部下に対し徐々に権限を委譲していきます。成長の度合いに鑑み部下を信頼し、任せるのも上司の役割です。Googleの元人事トップのラズロ・ボック氏も、著書『Work Rules!』で最高のマネジャーになるための8つの習慣を挙げ、『部下に権限を委譲せよ。マイクロマネジメントはするな』と記しています。
出典:『ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える』ラズロ・ボック著

 

マネジメントの時間を決める

勤務時間中すべての時間において部下をマネジメントする必要はありません。進捗状況の報告のタイミングを決め、部下から上司側に時間の確保を依頼することも大事です。
進捗具合やトラブル発生時、上司の判断を仰ぎたい時など、報告すべきタイミングを設定しておくと、必ず部下から報告が上がるようになります。上司も不安が解消され部下を縛り付ける必要もなくなります。
部下は業務のスケジュールを組みやすくなり、上司も管理以外の業務に集中できます。

 

マイクロマネジメントがどうしても改善出来ないときは

マネジメントスタイルを変えたい場合は、マネジャー自身の変革が必要です。自分自身のマネジメントを振り返り、見直しが必要な部分は改善に努める姿勢が大切です。
しかし、本人はマイクロマネジメントを行っている自覚がないパターンが多いのが現状です。そのため上長から「マネジャー向けの」1on1ミーティングを行い、無意識に行っているマイクロマネジメントを意識させ、改善につなげるのが有効と言えるでしょう。


1on1ミーティングは部下の人材育成とエンゲージメント、信頼関係の構築を目的として確立された手法で、定期的に直属上長と行う対話を意味します。
その反面、多忙なマネジャーにとって直属上長との1on1ミーティングは業務相談の場に陥りがちです。
また上司の傾聴スキルにも個人差があるため、変革を促す面談で誰もが同じ効果を得られるとは限りません。
そこで外部のプロコーチによるマネジャー向け1on1ミーティングの活用をおすすめいたします。 


〈hanaseru〉のコーチは全員が厳しい審査に通過したキャリアコーチです。
社外の第三者との対話で自分なりの思考や現状について対話を行い、思考の輪郭をくっきり浮かび上がらせ言語化していきます。
〈hanaseru〉では、インプットとアウトプットを繰り返す継続的な仕組みでマネジメントに必須な自己効力
感を育て、成長を促します。その結果、意識の変容で効果の定着が期待できます。

最後に:マイクロマネジメントとは何か?増加の背景や改善策を解説のまとめ

マイクロマネジメントとは上司が部下に対して行動を逐一チェックしフィードバックを行い、過干渉気味に管理することを意味します。
マイクロマネジメントは部下のモチベーション低下や離職の増加という悪影響を引き起こし、組織力の弱体化というリスクにもつながります。
テレワーク・リモートワーク導入による部下の働きぶりに対する不安や、働き方改革推進で起きている業務量の増大が大きな要因になり、上司が心の余裕を失ってしまっているケースが見受けられます。
その結果、上司はデメリットが大きいと言われているマイクロマネジメントに無意識に傾いてしまいます。
従って、無意識に行っているマイクロマネジメントを意識させ、改善につなげるのが有効です。


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