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組織開発を推進する、成果を上げるマネジャーに共通する7つのポイントとは?

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組織開発を推進する、成果を上げるマネジャーに共通する7つのポイントとは?

ダイバーシティの時代と呼ばれる昨今、チームや職場は多様なメンバーで構成されるようになりました。年代やキャリア、文化など異なる背景を持つメンバーが、同じ組織の中でひとつの目標に向かって働く必要があります。

現代の日本の組織では、こうした急速な時代の変化に合わせて、かつて経験したことがない多様で複雑な関係性のマネジメントが求められています。

組織を活性化させるため、ハードな側面(戦略、構造、人事制度など)だけではなく、人や関係性といったソフトな側面にも光を当て、活発なコミュニケーションを図りながら変革を行う中で、着実に成果を上げるマネジャーの存在。

彼らに共通する7つのポイントは何か、社員(従業員)が生き生きと働ける環境を作るための具体例や課題、問題解決策を併せて解説していきます。

組織開発におけるマネジャーとマネジメント

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1)マネジャーとは

マネジャーとは、組織の管理や運営などを行う者のことを指します。企業においては、組織やチームが設定した目標を達成するため、部下や配下の人を管理しマネジメント遂行する人のことをマネジャーと呼びます。

 

マネジメントの概念は、アメリカの経営学者ピーター・ファーディナンド・ドラッカー(1909〜2005)が生み出しました。著書『マネジメント』(1973年)の中で、マネジャーとは組織の成果に対する責任があると定義しています。また、何事にもひたむきに真剣に取り組む姿勢、つまり「真摯さ」が資質として必要だとしています。組織の中で個人が働きやすくするための動機づけを行うなど、組織で働く人達とひたむきに向き合い続ける姿勢が大事だと記しています。

 

マネジャーは、組織の目標達成に向けて仕事全体の管理や部下の指導、評価といった管理を担い、メンバーのモチベーションを向上させることが重要な役割なのです。

 

2)マネジメントの意味

マネジメント(management)は直訳すると、「経営」「管理」「運営」を意味します。ビジネスにおけるマネジメントは「経営管理」や「組織運営」といった意味合いで使われる言葉です。

 

具体的には「組織の成果向上のために、資源やリスクの管理をしながら、いわゆるヒト・モノ・カネといった経営資源を効率的に活用し、適切な目標を設定して組織を運営する」ことがビジネスにおけるマネジメントであると言えます。

「組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関である」というドラッカーによるマネジメントの定義に対し、「組織開発」を推進し、成果を上げるマネジャーによる職場づくり「理論と実践 」の著者である中村和彦氏は、こう記しています。

 

マネジメントとは「対処する」こと。

 

職場の目標を達成することに向けて、職場で起こる様々なことに対処するのがマネジメントです。変化の激しい現代において、マネジメントに求められる形も変化しています。組織開発におけるマネジメントの第一歩は、今の職場やチームの状態に関心を向けることであり、社員(従業員)や職場環境の現状や課題に気づく必要があると言えるでしょう。

 

3)マネジメントとリーダーシップの違い

マネジメントと混同されやすい言葉にリーダーシップ(leadership)があります。

先程も説明したように、マネジメントの目的は「組織の成果を上げるため目標を設定し、目標達成に向けて組織を運営する」ことです。一方リーダーシップは「示された目標を達成するために具体的な方向性を示す」ことを目的としているため、意味合いが異なっています。

 

マネジメントは役職の立場にあるものが組織を管理する手法であり、リーダーシップは立場や役職にかかわらず組織の目標に対して明確なビジョンを示しながらメンバーを導いていく能力であるという点を認識しておきましょう。

組織開発を推進する、成果を上げるマネジャーに共通する7つのポイント

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成果を上げるマネジャーには共通する特徴があると分かりました。ここでは、その7つのポイントについて解説していきます。

 

1)育成

優秀なマネジャーの多くはメンバー育成に力を入れています。

メンバーの当事者意識を育む工夫を行っているのが特徴で、上から指導するというよりも多角的な側面から部下を育てようとしているケースが多く見られます。

 

また今すぐに必要とするスキルや知識だけでなく、成長の土台となるような基本的なスキル・スタンスの育成や、メンバーの将来につながる仕事を割り当て、長期育成プランを検討しているマネジャーも少なくありません。

メンバー1人ひとりの特徴や個性に合わせ、適切かつ丁寧な育成を心がけている様子が見受けられます。

 

2)共有

円滑なコミュニケーションが成立しているマネジャーは、メンバーと情報や目標を共有できていると言えます。

自分の考えを相手に伝えるのが、コミュニケーションだと考える人も多いのではないでしょうか。コミュニケーション(communication) の語源はラテン語のコムニカチオ (communicatio) という言葉に由来します。コムニカチオは「分かちあうこと、共有すること」を意味し、伝える側と聞く側で思いを分かち合い、共有した時に初めてコミュニケーションが生まれます。

 

情報は言葉や文字だけで伝えても、受け手によって意味の取り方が異なる場合があります。腹落ちしていないと、頭で理解しても感情が伴わず内心では意に沿わないため、周囲から「やらなければならない」という同調圧力が働いても、当事者には「やりたくない」という抵抗感が生まれてしまいます。指示に従って実行することのみを考えても、納得できないまま仕事に取り組む面従腹背の状態に陥ります。

 

一方的に自分の考えを話すのではなく、情報の内容とその意味が相手に正しく共有されているか。共有できるマネジャーは、伝えたい言葉に対してその背景にあるものや前提を説明し、相手が自分事として受け止めているかをしっかり確認しています。すると、部下は自分のやるべきことや目指すべき方向性について腹落ちし、自律的に動けるようになります。

 

共有は部下の主体性を育み、活力を生み出します。組織の目標、方針、戦略を計画する際はメンバーの意見を積極的に取り入れていきましょう。意見が反映されるとメンバーの当事者意識が高まり、より多様な視点からディスカッションが生まれ、質の高い目標につながります。

 

3)調整

フランスの鉱山会社の経営を立て直したアンリ・ファヨール(1841-1925)は経営を実践していく上で必要な6つの機能を提唱しています。そのうちの管理の5機能の中には「調整」という言葉が含まれています。

 

調整とはそれぞれの仕事がかみ合うように働きかけ、細かい部分で折り合いをつけ全体として調和をつくることを意味しています。

調整力の高いマネジャーは普段からメンバーに関心が向いています。多様性が高いメンバーで構成されたチームや職場を風通しの良い環境にするために、人への関心は特に必要な要素です。

 

さらにメンバーのリソース状況によって仕事を再配分するなど適切に業務配分を行うバランス感覚にも長け、その上、関係部署や取引先との交渉も得意とするタイプです。このような調整が機能しているチームは、マネジャーとメンバーの信頼関係が構築され、非常に安定感があると言えます。

 

4)構築

マネジャーとメンバーの関係性が良好だと、効率的な仕事につながっていきます。ここでいう関係性とは、決して仲の良い関係といった狭義のものではありません。

 

信頼関係を土台とし、その上に協働、切磋琢磨の関係(ともに学ぶ関係)が重なった形が健全な関係の構築と言えます。

 

上司の利己的な意図を感じてしまうと、部下は決して信用しません。多様性のあるメンバーと共に働く環境で、信頼関係はとくに重要です。部下に関心を持ち、良いところを伝えお互いに助け合っていると、マネジャーとメンバーの間にはおのずと信頼関係が築かれていきます。

 

さらに同じ目標達成に向かって共に責任を担い取り組んでいく協働関係と、相互にフィードバックする切磋琢磨の関係が築かれると、効果的な仕事を遂行し、お互いに成長していけるのです。

フィードバックは上司から部下にするものというこれまでの枠組みを超え、部下から上司にフィードバックを行う関係が生まれると、上司も自身の経験から学びを得られ、成長に結びつきます。

 

5)決断

変化の激しいビジネス環境では、よりスピード感のある決断が求められるようになり、必要なエビデンスがすべて揃うのを待つ余裕のないケースが多数生じています。

 

決断力とは、自分の責任において物事を必要なタイミングで決定する能力を意味します。決断には必ず行動と責任が伴い、また100%成功が保障されることもありません。決断の遅れは取り返しのつかない大きな問題に発展する可能性もあり、タイミングを見極めた決断は重要です。

 

成果を上げるマネジャーは決断の理由が明確で、過去の経験から生まれた判断基準や優先事項といった自分軸を有しています。論理的な思考と感情のバランスを取りながらネガティブな感情を制御し、ポジティブな感情を引き出して自分の決断を信じ、リスクを恐れず挑戦しているのです。

 

6)自律

成果を上げているマネジャーの多くはメンバーに対する権限委譲を行っています。部下の中にある「やってみたい」という自律性を可能な限り活かしていくためにも、適性や業務の習熟度にあった適切な割り振りは必要です。またメンバーと共に組織計画を考えるマネジャーも多く見受けられます。

 

新しい業務の任命やプレマネジメント経験は、メンバーにとって責任感や仕事のやりがいを得られ、成長に繋がっていきます。

上司の指示で動くのではなく、仕事に対して自律的に行動できる社員(従業員)が増え、周囲への働きかけで自発的な業務改善の提案が生まれる可能性もあるでしょう。

 

7)客観

マネジャーはメンバーのマネジメントを行う以上、自己管理の徹底が前提と言えます。そのため、チームの目標達成に向けて自分自身の仕事ぶりを客観的に把握し、細やかな修正や調整を心がけるマネジャーは成果が上がりやすいと言えます。

また、マネジャーの言動や行動はチームやメンバーの状態に大きな影響を及ぼすと自覚し、常日頃から言葉や行動を客観的に捉え、改善点の洗い出しといった努力を怠りません。

 

1955年アメリカで発表されたジョハリの窓(Johari Window)は、自己分析をおこなう際に使用する心理学モデル(フレームワーク)のひとつです。

 

ジョハリの窓

出典The Johari Window Model

 

①自分も他人も知っている「開放の領域(開放の窓)」

②自分では気づいていないが他人は知っている「盲点の領域(盲点の窓)」

③自分は知っているが他人は知らない「秘密の領域(秘密の窓)」

④自分も他人も知らない「未知の領域(未知の窓)」

の4つに分けて分析します。

 

成果を上げているマネジャーの多くはメンバーとの垣根が取り払われており、親近感や信頼感の向上が見受けられます。マネジャーの自己開示ではメンバーからのフィードバックが増加し、②の盲点の領域を自覚するチャンスにもなり、より客観的に行動を改善し、よい関係が構築されるのです。

 

成果を上げるマネジャーは持論を持っている

持論形成の重要性

成果を上げるマネジャーのうちほぼ全員が、内省を習慣化していると言っても過言ではありません。自身のマネジメント意図を具体的に淀みなく語るためには、自分の行動や考えを振り返り、成功、失敗の理由について深く考える必要があります。

 

マネジャーの仕事に正解はありません。経験・実践を振り返りながら内省を続けると、自分なりの考え方やルールが構築されていきます。曖昧だった部分を明確に言語化し、蓄積を重ねた結果が持論につながっているのです。

 

また成果を上げるマネジャーの多くが、マネジメントスタイルには上司や先輩からの学びが色濃く影響していると言います。上司や先輩方の手法を継承し、さらに磨きをかけて自身のスタイルに取り込むことで持論が形成されていくのです。

 

成果を上げるマネジャーに共通するポイントの詳細について、資料をご用意いたしました。
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成果を上げるマネジャーの課題

ここまで組織開発を推進し、成果を上げるマネジャーに共通する7つのポイントや持論形成についてお伝えしました。しかし、時代の著しい変化に対応する上で、有能なマネジャーを除いても大きな課題が立ちはだかっています。

 

1)部下の育成

マネジャーにとって部下の育成とは、組織内で業務の成果を上げられるよう部下の成長を支援することです。自社の戦略や業績に貢献できるメンバーが育つと、パフォーマンスが発揮され組織力の強化につながります。しかし、自分の課題を持ちながら職場を管理するマネジャーは多忙を極めており、育成に十分な時間をかけられない状況です。また、部下育成に必要な知識やスキルが不足し、従来の指示命令型の育成で苦戦しているケースも多く見られます。

 

2)チーム・部門運営

ここ数年で新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、テレワークやオンラインミーティングが急速に普及しました。その結果、メールやチャットなどの文字情報のやりとりや、ミュート、ビデオオフといった機能が浸透し、非言語の情報を受け取る機会が減少しています。

 

対面によるコミュニケーションの場が少なくなった現在、チームや部門をより良い形で運営していくには、人と人が関わる際の二つの側面に焦点を当てる必要があります。

・コンテント やりとりの内容、会話している人たちが目を向けている明白な部分

・プロセス  人と人との間で起こっていること(=ヒューマンプロセス)

コンテントとして会話していることに対し、目に見えにくい部分で起こっているプロセスが結果に大きく影響しています。

私たちは、普段伝えたい内容のたった一部分しか言葉にしていません。話してもメンバーに伝わっておらず行動が変化しない場合は、職場で起こっているプロセスに気づき、働きかけていく必要があります。

 

3)時間管理

働き方改革やテレワークの浸透といった時代の変化により、メンバーの労働時間管理はより厳しくなりました。その一方で、マネジャーにも新たな役割が求められるようになりました。処理し切れずにたまっていく業務をマネジャーが行わざるを得ない状況が生まれ、常に時間が足りない状態です。先程の育成でも問題視されていたように、時間管理はマネジャーにとって非常に切実な課題と言えます。

 

成果を上げるマネジャーが抱える課題を解決するには

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1)マネジャー自身が学びを得る時間をつくる 

今後求められるマネジャー像は「チームや組織を見守り、エンパワーメントして自らも学ぶ人」であると言えます。

学びの中でも大切なものを2つご紹介します。

 

①アンラーニング(学びほぐし)

これからのマネジャーは、従来のような問題を指摘する問題解決思考から、個人の強みや良さに目を向けて潜在力を伸ばしていく志向に転換する必要があります。自らのマネジメント観をアンラーニング(学びほぐし)する姿勢が求められています。

 

②越境学習

社内(ホーム)と社外(アウェイ)を行き来しながら学ぶ方法で、社外の研修や講座への参加、異業種交流会、本業以外の社会活動など様々な種類があります。

社外の場では、社内で長い間身に染みついたものとは異なる、新たな価値観との出会いや学びがあります。また社内における知識やスキルが通用しない場所に身を置いて自分自身を再確認すると、葛藤を通して新たなチャレンジや経験が出来、学びを獲得できます。

 

2)得た学びを部下育成に活用する

社外で得た学びに刺激を受け、自社に取り入れようと説明する時、さらに大きな揺さぶりが起こり、マネジャーは再び葛藤で苦しみます。しかしそこで諦めず、相手に理解し受け入れてもらえるように関わっていくと、社内(ホーム)でも経験から学びを得られます。マネジャーが越境学習で自己成長した姿は部下の向学心にも好影響をもたらします。新たな学びを積極的に取り入れる風通しの良い環境は、部下の主体性や自律性を育み、部下育成の推進力になることでしょう。

 

3)成果を上げるマネジャー育成に欠かせないコーチングと1on1

前述のジョハリの窓で紹介したように、開放領域を広げてよりよい関係性を築くためにコーチングと1on1は欠かせない手法です。メンバーの能力を最大限に引き出すには、従来のような指示・命令型ではなく質問を交えたコーチングの形で部下が自律的に考え、決断するよう促すのが大切です。またどのような目的で1on1を行うのか意味づけし、部下と共有したうえで取り組む必要があります。

 

4)成果を上げるマネジャー育成のために外部サービスの活用も選択肢に

コーチングや1on1の技術は一朝一夕で得られるものではありません。前述の越境学習でも、社内(ホーム)の固定観念や暗黙の前提を脱し、新たな価値観や発想を得るために、社外(アウェイ)との往復が重要であるとお伝えしました。成果を上げているマネジャーにとって外部サービスの活用も選択肢のひとつに加えられています。

 

<hanaseru>では、人材開発における社員との1on1やリーダーシップ開発プログラム企画の経験を持つ人材が、プロならではのカウンセリング力で1on1を代行します。毎月の対話で社員(従業員)の意識と行動が変化し、人材育成・教育の観点からも効果が期待できます。またキャリアコーチングの技法を用いたマネジメントの持論形成も支援可能です。

最後に: 組織開発を推進する、成果を上げるマネジャーに共通する7つのポイントとは?のまとめ

組織開発を推進し、成果を上げるマネジャーには、7つの共通点があります。

①メンバー育成に尽力

②情報や目標の共有

③高い調整力

④メンバーと良好な関係性を構築

⑤迅速な決断力

⑥メンバーの自律促進

⑦自らの言動や行動も客観的に判断する

これらのポイントが揃っているマネジャーは有能で、職場の活性化、社員(従業員)のモチベーションやエンゲージメントの向上に大きく貢献する存在です。

生き生きと働ける職場づくりには、お互いに正直な思いを伝え合いながら働ける場が重要です。

 

<hanaseru>のサービスは業務と関連のない外部プロ人材が行っているため、社外(アウェイ)の価値観を取り入れる越境学習の効果も期待でき、成果を導きます。お気軽にお問い合わせください。

 

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