「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンとし、企業やはたらく人に寄り添いながら、多様な「はたらく」のサービスを展開するパーソルテンプスタッフ株式会社。同社は2021年からマネジメント層向けのキャリアコーチを行うhanaseruを導入し、マネジメント層向けのコーチングを行っています。実際にコーチングを受ける社員の方は、hanaseruについてどんな印象を持ち、またどんな変化が見られたのでしょうか。今回お話を伺うのは、このサービスの体験者の一人、同社の第二BPO事業本部 中部BPOサービス部の名久井勇人部長です。業務では「伝える側」であることが多い名久井さんは、コーチングを通して何を感じ、またどのように向き合ってきたのでしょうか。
そうですね、これまで3回のコーチングを受けたのですが、包み隠さずに言うと、1回、2回を受けた感想は、どのように臨めばよいかわからない、というものでした。何を聞かれているのか、質問の意図がわからないものもあったりして、少し戸惑いましたね。
言葉を選ばずに言うと「ここまで踏み込んで話をしないといけないのでしょうか?」と思った瞬間が何回かありました。また話をすることで、どのような効果を得られるのかと思い、言葉がスムーズに出てこないときもありました。2回目のコーチングのときもまだそのような気持ちがあったように思います。おそらく、自分がコーチングの場をどのように活用するべきなのかということが定まっていなかったからだと思います。キャリアコーチからの質問に答えてどのような効果を得るのか、という気持ちが特に1回目は大きく、2回目も少し残っていましたが、2回目を終えた後、自分自身がコーチングの活用方法を整理できていなかった、ということに気がつきました。
はい。コーチングの内容が変わったというよりは、1回目、2回目の内容を振り返ったときにそう思いました。これは私個人の特性だと思うのですが、心をなかなか開かないタイプでして。元々営業職でしたし、どちらかというとお客様に対して積極的に扉を開いていく側で、逆に質問を受ける機会が少ないため、聞かれたことに対して素直に自分で考え、言語化するということがうまくできていなかったのだろうという気がしています。その気づきのあとに行った3回目では、コーチングの印象がかなり違っていました。キャリアコーチはいろいろな角度や違う言葉で質問してくれている。自分の仕事への思いや将来などについて考え、具現化に向けた思考整理を行うにはすごく良い場だなと思うようになりました。3回目から、コーチングの場をどのように活用すればよいか、自分の中で整理ができ始めたのだと思います。
そうですね、私はこのコーチングにおいて、現在の仕事のことや将来のキャリアについての気づきが得られることを期待している感じですね。
違いはありました。ただ、社内の1on1と今回のコーチングは、違う種類のものだと捉えています。社内の1on1は実務のことや、業績の話が中心なのに対して、コーチングでは自分自身の思いを中心に話をしていると思います。コーチングを受けている社員は、社内の1on1とは違い、思考整理に集中し、具現化に向けてキャリアコーチからアドバイスをもらっているように捉えている人が多いのではないかと思います。
苦労というか、図りかねているところはありますね。部長に着任して思うことは、例えば自分の配下にはマネージャーやリーダー、そしてメンバーも加えると100名程度が所属しています。そうなると、私から発信していることが、組織全体へ浸透しているか、どれだけ思いが伝わっているか。浸透具合を図るのってとても難しいじゃないですか。今のやり方や伝え方で良いのか、もっとやるべきことはあるのかなど、発信した後の状態が見えにくいことを少々不安に感じてはいます。当社は組織が拡大してきており、おそらく業績の話だけになると、メンバー達も疲弊していくのではないかと思います。私は、自分たちのやっている仕事の価値や意義などをマネージャーやリーダーは、メンバーへ伝える役割があると思っています。
弊社のように、組織が拡大している会社が合うのではないでしょうか。 私が入社した2005年当時は、社員数もまだ2,000人くらいでした。その頃は、もちろん業績が求められていましたが、どちらかというと人のための仕事、という意識が強く、みんなが経営理念を空で言えるような雰囲気でした。そこから17年経ち、今やグループで50,000人 を超える規模になりました。現在も経営理念を空で言えますし、人のための仕事、という意識が強い風土に変わりはありませんが、規模が大きくなると、どうしてもトップからのメッセージは伝わりにくくなってしまいます。それこそ私も含めてマネージャーや中間管理職になると、どうしても先に業績に目がいってしまうことがある。仕方がない部分もありますが、現場のメンバー達も業績しか見えなくなりがちです。そのような会社でhanaseruを活用することで、改めて自分たちの仕事の意義とか、自分自身のキャリアや目標についてなど、業績とは違う角度からの気づきを得る場を作るのは、とても良いことだと思います。
とてもありがたいことに、マネージャー、部長と役割が変わっていき、同時に任せられるエリア・範囲が広がっていった時に、今までに経験したことがない判断を下す場面が数多く出てきます。その際の判断スピードが落ちてくると、お客様にもメンバーにも迷惑がかかってしまいます。ですから、自分の中で確固たる判断軸を持つことが、はたらく上で非常に大切なことだと思います。創業者である篠原の言葉や経営理念が、私にとっての確固たる判断軸であり、BPO領域のパーパスでもある「徹底した顧客志向の追究」にも紐づいていると思います。私自身、今後は自分が正しいと思っているメッセージ、例えば、創業者の言葉や仕事の意義、仕事の価値をいったことを、より多くの人々へ伝えていきたいです。組織のあり方の理想としては、経営理念を目の前の仕事に置き換えた時に、どういった意義であるかを、メンバー一人ひとりが考え、語れるようになること。とても難易度が高いことですが、そこを追求していくと、部長といった管理職は必要なくなるかもしれません。部長がいなくてもパフォーマンスが出せる組織、それが理想です!
本日は貴重なお話をありがとうございました!
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